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スペインコラム Vol.5Fallas de Valencia/ファジャス・バレンシアの火祭り
毎年3月15日から19日までバレンシア地方の各地で行われるお祭りで、公式に開会されるのは2月の最後の日曜日。
スペインでももっとも大きなお祭りのうちのひとつ。大事な観光事業で今年も100万人の観光客を集めた。
もともとは、大工さんたちの守護神である聖ホセを祝うお祭り。大工仕事に使った残りの廃材類をお祭りの前の夜に燃やし、春からの新しい仕事に備えたのが始まりだという。
15日、バレンシアに約380あるという製作グループごとに、1年がかりで製作された人形やおみこしの展示が行われ、人気投票が行われる。大きさは、数メートルから30メートルのものまで様々、その年に話題になった人物、政治家やスポーツ選手なども題材にされる。ブラックユーモアたっぷりのものもあっておもしろい。その週末にはパレードが行われ、人気投票の順位が発表される。
19日、22時に人形やおみこしが炎に包まれる「La Crema/ ラクレマ」が行われる。人気投票で上位だった人形数点と市が製作した作品はは一番最後に残され、他のおみこしは次々に点火される。深夜1時、市役所前広場のおみこしが点火され、火祭りのフィナーレとなる。街中が炎に包まれる様子は圧巻。
もうひとつ、この火祭りで有名なのは「マスクレタMascleta」。3月1日から19日まで、毎日午後14時、市役所広場で一斉に打ち上げられる一種の連なった爆竹のことで、毎回約5分間だがその音(120デシベル)と振動は迫力満点、経験の価値あり。
バレンシア・ローカルテレビ局の中継で、2008年のものだが打ち上げの仕組みが映像に移っているのはこちら
その他、早朝に市民を眠りから覚まさせるための「ラ・デスペルタ/ La Desperta」という爆竹を鳴らす習慣もあったが、こちらはあまりにも住民に迷惑をかけていたため、近年は19日のみ許可が出ている。朝の8時、爆竹を地面に投げつけて音と煙を出すもので、毎年、けが人や家屋破損などの被害が続出、禁止されている未成年が爆竹を扱う場面もあり、賛否両論があるワイルドなイベントでもある。
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