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スペインコラム Vol.18収穫祭/Fiesta de Vendimias
ブドウの収穫(ベンディミア/vendimia)の季節は秋。食用の白ブドウは、7月の終わりごろには国産の一番乗り、アレキサンダー種がアリカンテから出荷され始め、それまで市場に出回っていたアフリカやチリ産のブドウと入れ替わる。
アレキサンダー種(右の画像)は作りものかと思わせるほど色も形も美しい。甘みも酸味も強くてとびきりおいしいものも、とても酸っぱくて食べづらいものも見た目は変わらないので見分けるのは難しい。値段は1sあたり1.5ユーロ前後。
ワイン用のブドウは、コルドバのD.Oモンティージャ・モリレスでヨーロッパで一番早い時期に収穫がはじめられる。品種はマスカットで、熟成させない早飲みタイプのワイン用。今年は昨年よりやや早めの8月6日に開始、天候もよく、害虫も少なめで素晴らしい出来である、と評価されている。
リオハのアルファロ村では今年最初のテンプラニージョ種が8月30日に、9月3日からはエブロ川沿いのアルデヌエバでベルデホやテンプラニージョ・ブランコ(白)が収穫された。ブドウの出来具合は収穫ぎりぎりまでの気候にも左右されるので、9月現在ではまだまだ油断はできないが、年間を通して特に大きな災害もなく、良好なブドウの収穫が見込まれている。
一部の特殊なブドウを除いては、ほとんどの地域で9〜10月にかけて収穫が行われ、南のアンダルシアからガリシアへ向かって収穫前線が北上してゆく。同時に行われる収穫祭は50年以上の歴史を持つものも少なくなく、守護神や自然の恵みに感謝するミサやお神輿(みこし)などの宗教行事、民族衣装を着て踊るフォークダンスなどが行われる。その他にも、近年になってガストロノミーイベントとしての色合いが濃くなってきた地域も多く、よその土地からも観光客やワイン好きが大勢訪れるお祭りへと変化してきた。いちばんのお楽しみである試飲会は無料または超低価格であるのがほとんど。
(画像はnoscomemoscordova.comより)
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