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スペインコラム Vol.34 スペインの一学期/ノバターダ
大半のスペイン人のバケ―ションが終わって職場へ復帰、子供たちの一学期が始まるのが9月の第2週目から3週目にかけてで、地域や学校により異なる。
中学、高校ではこの第1週目に追試が行われ、夏休み前までの成績が基準に満たなかった生徒たちの留年か進級かがこのテストにより決定される。小学生には追試制度はないが、年間の総合成績が基準に満たなければ進級できない。
我が子が通う公立小学校でも各クラスに2,3人は留年生がいるのが当たり前、というのが現状。
始業式、入学式を行う習慣はなく、公立学校では9月いっぱいは午前中だけの授業が行われて小学生は13時ごろ、中学生は14時30分頃に下校。給食は希望者だけがオプションで追加する仕組みで、通常通りの授業が始まるのは10月から。
新学期の開始に伴い、新聞社エル・パイスにより行われた全国の公立学校の給食費比較の調査結果が新聞に掲載された。バレアレスとカタルーニャでは一食分が6.2~6.5ユーロ。アラゴンでは6ユーロ、マドリッドでは4.8ユーロ前後、カスティージャ・イ・レオン、ムルシアでは4ユーロ、アストゥリアスで3~4ユーロ。カタルーニャではアストゥリアスの2倍近くの料金が設定されており、1ヶ月の給食費としてみると、約70ユーロの差が出てくる。各家庭の支払い額は地域により異なり、アストゥリアスでは各市役所が給食費全額を負担、他の地域では各家庭の収入額に応じて、50~100%程度の援助が受けられる。マドリッドでは一食分に1~3ユーロの援助が受けられるが、それでも給食費が払えない貧困家庭が多いことが問題視されている。支払えない家庭の他、時間に余裕がある家庭では、2時間設定されている昼食時間と昼休みに帰宅して昼食をとり、再び登校するというオプションがある。
大学が新入生を迎えるのも9月の中旬。数年前から問題視されているのが「ノバターダ」と呼ばれる習慣で、新入生全体を対象に上級生たちが行う、いわゆるふざけた歓迎会のこと。
「飲み会での一気飲みの強要」などは日本でもありがちな運動クラブ系の悪習慣として想像できるが、このノバターダはけっこう限度を超えている。
毎年ニュースで映像が報道されており、精神的、肉体的被害を受ける生徒が後を絶たないのが現状だった。ということで2014年にようやくノバターダの規制が始まり、国家警察が乗り出してこれらの行為を虐待、犯罪として禁止。各大学とコミュニケーションをとり、被害を訴えることができるセンターを設置してようやく本格的な規制に取り掛かった。画像は生卵と小麦粉を投げつけられている新入生たち。
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