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スペインコラム Vol.14手作りパンの話
おいしいパンに出会うことが難しいスペイン。各地方ごとに気候や合わせる食事により、様々な形、呼び名のパンが存在するが、ヨーロッパの他の国に比べると一般に販売されているパン類の種類も少なく、とくにマドリッドから南にかけては毎日の食事の主食となるタイプのパンはバサバサとした食感のものが多いように思う。
そんな中、最近ブームなのが「パン・ブティック」と呼ばれるちょっとおしゃれな手作りパン屋さん。バルセロナやバスクではかなり前から見られたが、ようやくマドリッドを中心に、全国的に広がりつつある。カフェを併設するタイプも多く、簡単な飲食やランチメニューを用意するところも多い。
2013年のデータでは、不景気の影響で国内のパン全体の値段が1.9%下がっているのに対し、パン消費量が1.8%増しとなっているのは、これらのグルメパン屋さんの増加にもよる。
このタイプの店で目立っているのは「Le Pain Quotidien/ ル・パン・コティディアン」。東京にも3店ほどあるのでご存知の方も多いかもしれないが、ベルギー発、世界19国に140店舗以上を展開する。オーガニック原料を使って作られたシンプルな手作りパンが売り物で、写真の木製の長ーいテーブルが印象的。マドリッドとバルセロナに計3店を出店中。ノーマルなパンが10〜12ユーロ/Kg、と、毎日の食事にはキビシイ価格だが、品質は保証付で顧客はすでにゲットしている様子。おしゃれなカフェも人気。
はやっているのはいわゆるポ−リッシュ方式のパンで、マサ・マードレ/masa madreといわれる元生地を使って生地を発酵させるタイプ。天然酵母を加えて発酵させた焼成前の生地の一部を翌日まで取り置き、粉と水で作った生地に加えて発酵させる、という作業をくり返すやり方。生地の発酵も20度前後で24時間以上かけてゆっくり行うところが多く、発効促進剤や安定剤などの添加物は加えられない。フランスのパン・ド・カンパーニュのような大きな丸パンがその代表。
スペインでも地方の村などでは、昔ながらのどっしりとした大型パンをこの方法で作っている店が残っている。
(写真はhttp://www.lepainquotidien.com)
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