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スペインコラム　Vol.7スペイン喫煙事情

「反タバコ法」なるものが2006年に施行され、住居以外のすべての建物内においての喫煙が禁止されている。その他、児童公園の敷地内や病院の出入り口前の道路などでも禁止。飲食店内では分煙制が適用されていたが、2011年からは完全に禁煙となり、建物から出て喫煙しなければならなくなった。中庭など、屋根のない場所では喫煙が可能。唯一、「葉巻クラブ」のみ、許可を得た上で喫煙が許されている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
この法令の施行日直後は反抗する飲食店がかなり多く、テレビニュースでも店内でわざとタバコに火をつけて抗議する様子が放映されていた。
約2年経った現在、喫煙はテラス席又は店から一旦外へ出て、というのが常識となりつつあり、ほとんどのバルには入口に灰皿が設置されている。ただ、地方へ行けば、暗黙の了解として店内で堂々と喫煙が許されているところもある、と聞いたことがある。

この法律の施行に伴い、テラス席の設置方法にずいぶんと変化が見られた。それまでは、テラスといえば暖かい季節のみに設置されていたものが、真冬であっても喫煙者のために用意されるようになってきた。

四方を壁で囲まれ、天井をつけてしまうと「テラス」とは認められないらしく喫煙は禁止となるので、ビニール製で開閉可能な壁を設置、または、3面と屋根をガラス製の壁で覆って冷風を遮断、その中にストーブを数台置いて暖をとる、というのがポピュラーになり、年間を通して利用されるようになってきた。空調設備付きのテラスも人気。

【偽タバコ情報】
2012年1月～3月の間にスペイン市場にでまわったニセタバコの数は900万箱で、2011年から30％の増加。2009年には全体の0.4％しかなかったものが、2012年には9パーセントにまでなっている。繰り返されるタバコの値上げに不景気が重なったのが主な増加の原因だと思われる。2012年、ニセタバコの製造と販売に携わったことにより国内で起訴された人は2045人、逮捕者は114人。偽タバコが大量に見つかっているのはジブラルタル海峡を国境とするアンダルシア、アンドラを国境とするカタルーニャ、ガリシアなど。　特に目立つのはカタルーニャで、約40％がここから入ってくる。アンダルシアではインターネットや個人宅での販売が頻繁なのだそう。
これらのタバコは中国、ベトナム、アラブ諸国、トルコなどで密造され、中国マフィアによってコンテナで大量に密輸される。非常に健康によくないものが混入されているのだそう。数年前までは、スペインへ上陸するニセタバコの約80％はヨーロッパへの通り道として存在していたのが、不況と値上げの影響で国内消費されるようになったものと思われる。

ちなみに2013年現在のタバコの値段はマルボロ1箱4.75ユーロ、国産の低価格のものでも3.80ユーロぐらいから。
消費量の少なかった手巻きタバコ（各自がタバコの葉と巻くための紙、必要な人はフィルターを購入、携帯し、くるくると巻いて消費する）は同じメーカーのタバコでも割安になるため、一気に利用者が増加している。それに伴い、慣れない人でも簡単に巻ける「手巻きグッズ」各種もタバコ屋のショーウインドウに並ぶようになった。