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スペインのレストラン　Vol.541°（クアレンタ・イ・ウン・グラドス）＆Tickets（チケット）

フェラン・アドリアの弟で、パティシェとしてエル・ブジで活躍したアルベルト・アドリア氏が経営する２店の隣り合わせのバルレストラン。両店とも2011年に閉店したエル・ブジの料理観念を維持する店として人気。２ヶ月先までの予約しか受け付けないが、常にいっぱいで両店共に予約は至難の技。

アルベルト氏は以前、エル・ブジに従事しながら2006年に「イノピア／Inopia 」というタパスバルをバルセロナの街角にオープンさせている。地元のバルの価値を見直す、というコンセプトでごく普通のバルスタイルで創作タパスを売り出し、ガストロバルのさきがけとなった。　
2010年の夏にイノピアは閉店、現在同店は「Lolita Taperia／ロリータ・タペリア」と店名を変え、共同経営者だったジョアン・マルティネス氏によって続けられている。
2011年、アルベルト氏は「Tickets／チケット」と「41°」をオープン、両店は隣同士に位置し、内部の廊下でつながっているが、入口、キッチン、従業員、店のコンセプトは異なる。

「チケット」はオープン当時から同じスタイル、客単価はオープン直後の45ユーロから現在は65～75ユーロと、上昇しているが、41°よりはリーズナブルなタパスレストラン。
コンセプトは「Vida Tapa/ビダ・タパ」ビダは「生活、生命」という意味の言葉で、「タパス生活」というような意味。
『ビダ・タパには「退屈」「悲しみ」「孤独」などは存在しない。タパスを通じて仲間と人生を楽しむ場所』『「食」を生きることの意味を理解するための一つの方法だととらえる』のだとアルベルト氏は言う。店内には3つのカウンターの他、テーブル席や柵で囲まれたスペースなどが設置され、全体的にポップなイメージ。

41°のほうははじめの10ヶ月はカクテル・スナックバーとして客単価約35～45ユーロで営業。その後、16席のみのレストランとして50種類の皿を41回に分けてテーブルへ運んでくるスタイルに変更。
ブジの料理からインスピレーションを得たスナック（つまみ）やフィンガーフードにカクテルを合わせて提供。客単価は税込みで200ユーロ、各料理に合わせたドリンク付きだと265ユーロ。
予約はインターネットのみの受付で、営業は夜のみ。4人テーブルが3つと、2人テーブルが2つ設置されている。夕食開始の予約時間は19時から20時の間に限られており、23時30分からはクラシックのカクテルバーとしてオープン、バーでは予約は受け付けない。この営業方法をアルベルト氏は「41°Experience」と命名、ブジやイノピア、チケットでの経験を生かし、本来自分がやりたかった経営スタイルを確立させたと言う。