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スペインのレストラン　Vol.35ディベルソ／DiverXo その1

ドキュメンタリー番組「エル・チェフ／El xef」は、3つ星レストラン「ディベルソ／DiverXo 」のオーナーシェフ、ダビッド・ムニョス氏／David Munozに密着取材し、夢の実現に向けて日々を過ごすシェフとそのチームの魅力に迫る番組。奇抜なデザインの番組の宣伝（右の画像→）の効果もあって、同業者以外にもかなりの話題になった。スペインのテレビ局「クアトロ／Cuatro」が2016年の初めに4回に分けて放送した番組で、「El･xef　第1部」は、190万人が視聴して視聴率9.5％をマーク。一般にスペインでは、料理長（chef／シェフ）のことを「チェフ」と発音するが、ダビッドシェフがよく使う文字「X」を当て字として使ったのがタイトルの由来。

　マドリッドのオフィス街の小さなレストランとしてオープンしてから、独創的でエキセントリックな料理を武器に3つ星レストランへと成長していった過程、ディベルソのセカンドラベル店「ストリクソ／StreetXO」オープンまでの様子、ホテル内の豪華なレストランへと店舗を移動するまでの3年間の様子を私生活も交えてつづったのが第1部の内容。スタッフとのやり取り、業者との取引、進まない工事への彼のいら立ちなどの様子がそのまま映像となって流された。

　現在36歳のシェフが修業を積んだのはマドリッドのレストラン「ビディリアナ／Vidiriana」、ロンドンの広東料理店「HAKKASAN」と和食の「NOBU」など。Hakkasan では2年半、点心のセクションで働き、週1回の彼の休日に火口で無給で働きながら中華鍋の扱いを学び、NOBUでもなかなか雇ってもらえず、1か月間無給で働いたというシェフ。

　私の世代の日本人の感覚ではごく当たり前の修業時代だが、スペイン人には考えられないことをやってのけただけのことはある、一本筋の通った男子である。地中海料理だけが料理ではないこと、中華や和食の偉大さを学んだというそれらのお店を再訪問し、当時を懐かしむ様子も放映。東南アジアも何度も訪れ、第一部の番組の締めくくりの部分では、今年の夏にオープン予定だったロンドン店の準備に奔放する様子とその意気込みが紹介されていた。

　その念願のロンドン店「StreetXO」が実際にオープンしたのが2016年の10月の終わり頃で、引き続きシェフに密着取材して製作された第2部が、2017年中に同チャンネルで放映予定となっている。

画像cuatro.com/elxef/