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スペイン料理 Vol.3Bacalao al Pil-Pil
バカラオ・アル・ピルピル(塩ダラのピルピルソース)
バカラオは主にノルウェーなど北欧から輸入される塩ダラ。生の場合は「バカラオ・フレスコ/bacalao fresco」又は「アバデホ/abadejo」、「スクレイ/skrei」などと呼ばれて何十種類も存在し、量は少ないがスペインでも需要がある。
隣国ポルトガルでも様々な料理法があり、大量に消費される。大きくて厚い身の場合は、たっぷりの真水に漬けて6〜8時間ごとに水を替えながら36から48時間ほどかけて塩抜きをする。ミガ/migaとよばれる小さな身なら、ボールに水を張った中につけおき、2,3時間で塩が抜ける。どんな料理にする場合でも、マメに味見をしながら、塩を抜きすぎないことがおいしく仕上げるコツ。
最近は塩抜き後に冷凍された状態のものも市場に出回っており、飲食店をはじめ、家庭でも重宝されている。
料理名はソースが沸騰し始めるときの音、「ピルピル」からついた名前、バスク地方を代表する料理法。
バージンオリーブオイルを使用するのが基本だが、過熱に向かないタイプを使うと苦味が出てしまうことがあるので注意。原価が気になる場合は、他の植物オイルと混ぜてみて、色と風味を試してみれば良いのでは。
バカラオのほか、メルルーサなど白身の魚に応用が可能。大量調理の場合は、魚の加熱とソースを別々に調理することもできる。
ココチャ(cococha 又は cocotxa)→と呼ばれるタラ類ののど部分の身をピルピル仕立てにした調理も有名。メルルーサのもの(生のみ)が珍重されるが、バカラオのココチャも塩漬けで市販されている。
スペイン料理 Vol.3
【バカラオ・アル・ピルピル】
【材料】4人分塩ダラ 800g
ニンニクスライス 4かけ分
鷹のつめ ひとつ分輪切り
オリーブオイル 約300t
塩ダラは塩抜きしたものを一人分200グラムにカットし、水分をふき取る。
厚手の鍋で、魚の切り身が4つ重ならずに並べられるものを用意し、オリーブオイルを注ぐ。ニンニクスライスと鷹のつめを加えて弱火で加熱して香りを移し、キツネ色になったら取り出す。
Aのオリーブオイルのあら熱をとり、バカラオの切り身を皮目を下にして並べ、弱火にかける。
皮の部分から乳白色のゼラチンを含む水分が少しずつ出てくるので、鍋を小刻みにゆすりながら焦げ付かないようにゆっくり加熱を続ける。
途中でバカラオの上下を返し、中まで完全に火が通ったら取り出す。
鍋を火からはずし、ゆっくりと小刻みに左右に揺らしながら残った油と水分、ゼラチンを完全に乳化させ、塩味を整えたらソースとしてバカラオの上からかける。
Aで取りおいたニンニクと鷹のつめを上から散らす。
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