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スペイン料理 Vol.13Pimientos Rellenos de bacalao/
(赤ピーマンの塩ダラ詰め)
「ピミエント・レジェノ/ピーマンの詰め物」と言えば、スペインではふつう、加工済みのピキージョという品種の赤ピーマンに魚か肉を詰めたもののことをさす。バスク地方で1970年代に「ヌエバ・コシーナ/ヌーベル・キュイジーヌ」として当時有名だったシェフたちが作り始めたのがはじまり。今ではどこでも見られる料理に定着している。
独特の甘みと酸味、かすかな辛味を持つピーマンで、そのまま塩と酢、オリーブオイルをかけてサラダ仕立てにしたり、ニンニクとともに軽くソテーしたりして肉や魚のつけ合わせとしても重宝する。温めたオリーブオイルの中にニンニクとともに瓶の中の水分ごとピーマンを入れ、砂糖と塩をひとつまみずつ加えてゆっくり加熱を続ける。
油分と水分が乳化してもったりとした状態で提供することも。いちばんポピュラーなのは詰め物で、ツナサラダなどを詰めてそのまま冷製で提供することもあるが、詰め物ごとに合うソースを用意し、ソースの中で軽く温めることも多い。詰めものをしたピーマンを小麦粉と溶き卵をくぐらせて油で揚げてからソースに入れると、衣に絡みやすくなるので味がしっかりと付く。逆に、仕上がりが重くなりすぎないように、油で揚げずにそのままソースをかけて提供する場合もあり。
ピキージョピーマンはナバラ地方のエブロ川沿い、ロドサ村/Lodosaで栽培がさかんな小ぶりの真っ赤なピーマン。長さ6〜8pほどで果肉は薄く、やや細めの三角形をしている。10〜11月ごろが収穫期。皮は硬くて、濃い赤色。国内はもちろん、ヨーロッパ組合の農産物原産呼称制度/Registro Europeo de Denominaciones de Origen de Productos Agricolasにも認定されている。ロドサ村はアーティーチョークや桃などの生産でも有名。炭火で真っ黒になるまで焼いたものの皮をむき、ガラスのビンまたは缶詰の状態で市場に出回っているのがふつう。すべて手作業で加工され、香りが失われないように決して水洗いはされないため、黒く焼けた皮の残りがピーマンにひっついていることが多い。
スペイン料理 Vol.12
【Pimientos Rellenos de bacalao / (赤ピーマンの塩ダラ詰め)】
【生地その1】
オーブンの下火のパワーが足りないと、具の下の生地が生焼けになりやすい。表面にアルミ箔をかぶせて焼成時間を長くするか、下の生地のみをオーブンで焼いてから具をのせて上の生地をかぶせ、再びオーブンで焼く、という方法で解決。
手早く作りたいときは冷凍パイシートで。
【材料】4人分 ピキージョピーマン 12個
(加工済みのもの)
塩ダラ 300〜400g
ニンニクみじん切り 2片
タマネギ 中1個
オリーブオイル 50cc
ベシャメルソース 約200g
(牛乳1に対して小麦粉90g程度)
衣用
小麦粉と溶きタマゴ 適量
ソース用
ピキージョピーマン 4個
タマネギ 大1個
ニンニク 半片
オリーブオイル 50cc
鶏か魚の出汁 200cc
生クリーム 100cc
ローリエの葉 4分の1枚
塩 適量
ピキージョピーマンはザルなどにあけて水気をきっておく。
詰め物を作る。塩だらは一晩冷水につけて塩分を抜き、身をほぐすか、小さめの角切りにする。 ニンニクのみじん切りを鍋で炒め、タマネギのさいの目切りを加えてじっくり炒める。
(2)に塩だらを加え、中火で混ぜながら火を通す。
別鍋でベシャメルソースを作り、(3)を最後に加えてよくなじませてから塩味を整える。 ベシャメルソースを(1)のピーマンに詰める。上部1pほどを残して詰め、手で握るようにして口の部分を閉じておくと揚げる時に中身が出てこない。
ソースを作る。オリーブオイルとつぶしたニンニクを鍋に入れて中火で加熱し、キツネ色になったら幅1pほどの千切りにした玉ねぎを加えて甘みが出るまで、色づかない程度にしっかり炒める。 ベシャメルソースを詰めたピーマンに赤ピーマン、鶏か魚の出汁、ローリエの葉、塩を加え、10〜15分ほど火にかける。
ローリエの葉は除いてミキサーなどでピューレ状にすりつぶし、細かい目のシノワでくぐらす。生クリームを加えて煮立て、塩味と濃度を調えてソースとする。
(4)のピーマンに小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせてから中温の油で揚げる。ソースの中に(5)のピーマンを入れ、軽くなじませて出来上がり。
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