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スペイン料理 Vol.22Patatas Revolconas/パタタス・レボルコナス
アビラの郷土料理で、サラマンカやエストレマドゥーラでもよく作られる。パタタス・メネアス/patatas meneas、パタタス・レブエルトス/patatas revueltosと呼ばれることもある。ほとんどピューレ状になったジャガイモにニンニク、マタンサの産物(主に豚バラ肉の塩漬け)、ピメントン、という単純な材料を加えるだけの素朴な食べ物。ニンニクの香りと豚肉の脂のうまみが混じったオイルを、たっぷりとジャガイモに吸わせるのがポイント。
同じ地域のもう一つの有名な料理、ミガス/migasのパンの部分をジャガイモに代えたイメージで、どちらもずっと昔から羊飼いなどの山で働く人たちの食べ物として受け継がれてきた。現在は小さめのカスエラなどに入れて、タパスとして出てくるのが普通。
ピメントンは辛くないもので作られるが、少量の辛いピメントン(ピメントン・ピカンテ)を混ぜて加えることもある。これは好みで調節する。豚バラ肉は塩漬けのもの、又はトレスノと呼ばれる豚バラの加工品(塩とピメントンに漬けた後、熟成乾燥させたもの)を使うのが一般的。カリカリに炒めて混ぜ込んだり、大きめに切って揚げたものを出来上がりのジャガイモの上にのせる。
豚バラの塩漬けが手に入らない場合は、簡単に作れるので手作りで。
@ 塊で購入した豚バラをバットなどに入れ、粗塩でびっしり全面を覆って冷暗所で10〜15日付け込む。水分が出てくるようなら底に穴が開いたバットを使用して水気を切る。
A 塩を取り除いて軽く洗い、角の部分に穴をあけてひもを通す。
B 風通しがよく、涼しい場所にぶら下げて表面を乾燥させれば出来上がり。
ピメントンや香草類を混ぜ込んで漬けることもできる。保存は冷蔵庫で。
スペイン料理 Vol.22
【パタタス・レボルコナス】
【材料】 4人分
ジャガイモ 500gr
ローリエの葉 1枚
ニンニクスライス 3片分
豚3枚肉の塩漬け 200gr
ピメントン(乾燥ピーマンの粉) 大さじ2杯
オリーブオイル たっぷり
塩 適量
ジャガイモの皮をむき、乱切りにして塩水で火が通るまでゆで、水気を切って保温しておく。茹で汁の半分ほどは取り置く。
鍋に多めのオリーブオイルとニンニクスライスを入れて弱火にかけ、キツネ色になったら取り出す。
Aの鍋に豚3枚肉の塩漬けの短冊切りを加え、カリカリになるまでゆっくり炒めてから取り出す。
Bの鍋を火から外して残ったオイルにピメントンを加え、焦がさないようにオイルとよくなじませる。
@のジャガイモにCのオイルを回しかけ、全体をよく混ぜ合わせる。かなりくずれても構わない。この時点で、柔らかめの仕上がりにしたい場合は@で取り置いたジャガイモの茹で汁を加えて調節する。
AのニンニクのスライスとBの豚三枚肉も混ぜ込み、塩味を調節して出来上がり。
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