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スペイン料理 Vol.7Gazpacho/ガスパッチョ
今では世界的に有名になっている、アンダルシア地方の郷土料理。作る人により、材料も作り方も千差万別、出来上がりの味も濃度も様々。各家庭に「おふくろの味」のガスパッチョが存在する。最近は他のメニューと同じく、スーパーで売られるブリックパックのガスパッチョも需要が高い。夏場は冷蔵庫の扉の飲み物入れに常時する家庭もあるぐらいポピュラー。バルやカフェのランチメニューでも人気があるが、自分好みのガスパッチョに出会えるかどうかは「運」次第。
「ガスパッチョ・アンダルス(アンダルシアのガスパッチョ)」が正式名で、この場合は「具」として材料に使った野菜のさいの目切りが別皿でテーブルに置かれ、各自が好みの具をスープの中に混ぜて食べる。パンの白い部分の角切りが添えられることもあり、生であったり、クルトンになっていたりする。
追加される材料でポピュラーなのは、パン、赤ピーマン、タマネギ、クミンシード、レモン汁など。
・パンを加える場合は、前日のものを使用。表面を削り、白い部分のみをかたまりのまま、たっぷりの水に浸して柔らかくなったら軽く水分をしぼり、材料と共にミキサーにかける。出来上がりの濃度はミネラルウォ−ターで調節する
・赤ピーマンを加えると、出来上がりの色が鮮やかになり、甘みも増す。
・クミンはすりばちですり潰してから加えるが、入れすぎると「くどい」香りがするのでアクセント程度にとどめたほうが無難。
・レモン汁は、酢と共に加えることで酸味の相乗効果が得られ、味に深みが増す。
その他、マヨネーズを少量加えてコクを出すとともに分離するのを防ぐ、というやり方もある。
シンプルであるがため、材料の質が出来上がりを左右する。トマトはもちろん真っ赤に熟したものを、酢は好みでシェリービネガーかワインビネガー、オリーブオイルや塩の選択にも注意したいところ。
17世紀ごろから、スペイン南部のアンダルシア地方ではガスパッチョが存在していたことが文献に記されている。
19世紀にトマトが大陸から伝わるまでは、ちぎったパンを水で柔らかくしたものにオリーブオイルと酢を混ぜ合わせたものをガスパッチョと呼んでいたらしい。
その後、ニンニクやキュウリ、タマネギなどの乱切りが加えられるようになる。
貧乏人の食べ物だっただけに、あまり詳しい文献も残っておらず名前の由来や説も様々。
スペイン料理 Vol.7
【Gazpacho/ガスパッチョ】
【材料】10人分トマト 700g
キュウリ 200g
緑ピーマン 100g
ニンニク 1片
オリーブオイル 100cc
酢 15cc
塩 約6g
洗ってヘタをのぞいたトマト、皮をむいたキュウリ、種と軸をのぞいたピーマンをザク切りにする。ニンニクの芽も取り除く。
すべての材料をミキサーにかけ、細かい目のシノワで濾す。
冷たく冷やして提供する。
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