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スペイン料理 Vol.37Quesada Picos y Reganas/ピコスとレガニャス
ピコスとレガニャスはアンダルシアの「乾燥パン」です。
パン屋さんでパンを成型した後にできる、中途半端な生地の切れ端を小さく丸めて焼き上げたものがピコスとレガニャスの始まり。アンダルシアでポピュラーな食べ物で、コルドバやセビージャあたりで昔から食べられてきたパンの一種です。
小指ほどの太さと大きさのものがピコス(ピコ/pico は「先端」という意味)で、コリン/colinとも呼ばれる。薄く延ばして好みの大きさにに切り分けたものがレガニャス。
これらは1000年以上も前から存在していたと言われており、完全に水分を飛ばしてあるので保存がきくこと、軽いことなどから保存食、又は旅に出かける時の常備食として利用されていたのだそう。スペインからアメリカ大陸の植民地へ向かう際、船乗りたちのためのパンとしても重宝していたのだそう。
現在はテーブルに乗せられるパンのカゴに一緒に入っていたり、アペリティーボの生ハムやチーズの皿にいっしょに盛り付けたりします。
塩辛い食べ物と一緒に食べるものなので、市販されているのはプレーンタイプがほとんどだが、全粒粉で作ったもの、オリーブオイル入り、ゴマ入りなどもポピュラー。
タパスのポテトサラダ「エンサラディージャ」の上に突き刺さっているのもこのピコスで、ディップのようにして食べるのが好まれています。
スペイン料理 Vol.37
>Quesada Picos y Reganas/ピコスとレガニャス
【材料】
強力粉 150g
ぬるま湯 70g
塩 3g
生イースト 2g
植物性オイル 20g
材料すべてをボールに加え、パン生地の要領でこね合わせる。乾かないようにフィルムなどで覆い、常温で10分ほど生地を休ませる。
ピコス(長細いほう)用の生地は作業台の上で直径2pほどの棒状に伸ばし、1〜2pほどの長さに切り分ける。手のひらで押しつぶしてからくるりと丸め、長さ4〜5cmの棒状に整える。長めに作って両端を合わせてU字型にしたり、両端をとがらせたりは好みで自由に。
レガニャス(薄いもの)は、めん棒で3〜5mmに生地を伸ばしてフォークの先などで表面全体に穴をあけ、ナイフで好みの大きさに切り分ける。
成型した生地をバットに並べてオーブンで加熱する(発酵させる必要はなし)。170℃でピコスは約10〜15分、レガニャスは約5〜7分、生地の厚さやオーブンの性能により調節する。
生地の水分がなくなって乾いた状態になれば焼きあがり。完全に冷ましてから密閉容器などに入れて保存する。
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