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スペイン料理 Vol.19Pure de lentejas/プレ・デ・レンテハス
スペイン人が大好きな豆料理。レンズ豆は全国でポピュラーな豆で、鉄分と繊維が豊富、安価、比較的短時間で煮あがることもあり、家庭料理やバルのメニューなどにもよく登場する。レンズ豆にも大きさや形、色はいろいろあり、好みが分かれる。チョリソやモルシージャ、豚肉類をたくさん加えて煮込み、出来上がりに取り出して刻み、豆に混ぜ込んだものがテーブルへ出てくるのが一般的で、表面に脂が浮かんでいることもしばしば。
ピューレにした場合、具としてよく一緒に盛られるのは腸詰類や豚肉だが、レストランなどで商品価値を出すためによく合わせられるのは、フォアグラのソテー、野禽類の煮込み、ウズラや鳩などのグリルなど。
今回紹介している最初の画像では、手長エビのソテー、フキをニンニク、生ハムのみじん切りと一緒に炒めたものを添えてある。
作り方や材料は地域や家庭により様々、ピメントンを加えて香りをつける人も多い。寒い冬に身体を温めるのにはもってこいの一皿である。
スペイン料理 Vol.19
【プレ・デ・レンテハス】
【材料】4人分
レンズ豆 500g
タマネギ 中1個
人参 中1本
ポワロー 1本
ニンニク 小1株
ジャガイモ 中1個
生ハムの出汁 適量
オリーブオイル、塩 適量
皮をむいて軽くつぶしたニンニクをオリーブオイルと共に鍋に入れて中火にかけ、きつね色になったらタマネギ、人参、ポワローのさいの目切りを加えて軽く塩をし、じっくり炒める。
(1)にレンズ豆とさいの目切りのジャガイモを加え、材料がすべて浸かる量の生ハムのだし汁を加える。
沸騰したら火を弱め、豆が柔らかくなるまで40分から60分ほど静かに煮込む。マメの大きさ、種類や保存状態により柔らかくなるまでの時間は異なる。
煮あがったら塩味を調え、煮汁ごとミキサーにかけてから細かい目のシノワで濾して出来上がり。
【応用】
白、赤のインゲン豆、ガルバンソなど、いろいろな豆でも同様にピューレが作れられる。大粒の豆の場合は一晩水につけてからでないとうまく煮あがらないので注意。
上記のように「ソフリット」と呼ばれる、野菜類をじっくり炒めた物を加える他、はじめから豆、だし汁といっしょにまるごとのニンニク、タマネギ、ニンジンやポロネギを加えて煮込むやり方もある。タマネギにクローブを突き刺す人も。
加える出汁は、今回は普段からストックしてある生ハムの出汁を加えたが、豚の3枚肉、豚足、あご肉、生ハムの切りくずや骨、チョリソなどと水を加えて豆を炊く場合もある。レンズマメの場合は、肉類が煮える前に豆が炊けてしまうので、先に肉と野菜類を煮込んでから濾した汁で豆を煮る。他の豆の場合ははじめからすべて一緒に煮込んでしまう。
ピューレの濃度、画像のものはごらんのとおり、かなり濃いめ。一般的にはもう少しさらっとしていることが多い。好みの濃度になるように、煮汁やだし汁を加えて調節し、仕上げに生クリームを少し加えてもおいしく食べられる。
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