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スペイン料理 Vol.13Tigre/ティグレ
(ムール貝のコロッケ)
ティグレとは動物の虎のこと。ムール貝の殻にコロッケの生地(ムール貝のだし汁と貝を刻んだものを混ぜ込んで作る)を詰め込んで衣をつけ、油で揚げたもののことで、バスク地方、ビルバオあたりでよく作られるタパス。衣がついてキツネ色になった部分と、貝の殻の黒い部分の組み合わせが虎の毛皮の模様に似ていることから付いた名前だと思われる。ピーマン、トマト、エビやゆで卵などを刻んで生地に混ぜることもある。
コロッケの発祥は17世紀頃のフランス又はイギリスだといわれ、正確にはわかっていないらしい。語源はおそらくフランス語のcroquer/バリバリと音をさせて噛むことで、フランスでは丸っこい揚げ物のことをCroquetteと呼ぶ。1961年のフランスの文献には王宮へ献上する料理の一つとして、トリュフ、鳥類の砂肝、クリームチーズを材料にしたコロッケが載っているそう。
レシピはヨーロッパ各地へ中身を変えて伝わっており、スペインでは1867年、マラガの文献にはじめて登場し、現在と同じくベシャメルベースのもの。日本のようなジャガイモに具を詰めたものはスペインではいまだに見たことがない(どこかにあるかもしれないけれど!)。「残り物」の再利用法としても大活躍するコロッケ、コシードの肉類(牛、鶏、豚)、挽肉などはよく材料にされているほか、カジョス(モツのトマト煮込み)、チーズ、フォアグラなども見られるようになってきた。
スペイン料理 Vol.13
【Tigre/ティグレ(ムール貝のコロッケ)】
【材料】 ムール貝 1 kg
タマネギのみじん切り 1個分
ニンニク 3 片
白ワイン 100t
ローリエの葉 1枚
牛乳 700ml
小麦粉 80gr
オリーブオイル 70cc
塩、コショウ 適量
衣用の小麦粉、溶き卵、パン粉、揚げ油
洗ったムール貝と白ワイン、ローリエを鍋に入れ、フタをして火を通す。
貝の身を取り出して刻み、煮汁は濾して取りおく。
ニンニクとタマネギのみじん切りをいため、小麦粉を加えて火を通す。
温めた牛乳と(2)で取り置いた煮汁を(3)に加えてベシャメル状に炊き、(2)で刻んだ貝を加え混ぜて塩味を整える。
貝殻に(4)を詰め、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて油で揚げる。
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