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スペイン料理 Vol.23Tortilla (Tortillitas ) de camarones(トルティージャ、又はトルティジータ・デ・カマロネス
スペイン風エビせんべい、かき揚げ、とも呼べそうなトルティージャ・デ・カマロネスは、魚介類のフライ「フリトゥーラス・アンダルス」又は「ペスカイートス・フリットス」と並ぶカディスの名物料理。サクサク、パリパリの食感で、かむごとに小エビの旨みが口に広がる。
カマロネスはカディスでは、広場や大通りなどでゆでたものが売られておりスナック感覚で歩きながらポリポリと食べる。他の地域ではフレッシュのカマロネスが手に入りづらいうえに薄くカラリと揚げるのはなかなか難しいことから、主に下準備済みの冷凍ものが全国の市場に出回っている
。
えびせんべい状になって凍っているトルティージャを油で揚げるだけ、と気軽だが、やはり手作りのほうがおいしい。
14世紀ごろには地域の小道にある小さな店数件ですでに作られていたといわれており、のちにカディスの都市サン・フェルナンドのレストラン「ラ・ベンタ・デ・バルガス/la Venta de Vargas」で提供されるようになったのがはじまりだそう。
以前は厚みのある「揚げ物」だったが、同店では材料のガルバンソの粉の配合を大幅に減らし、現在のような薄くてパリパリのトルティージャに改良(「薄力粉1に対してガルバンソの粉3」の割合から、「薄力粉250grにガルバンソの粉大さじ1杯」へ変更。
同店の後を継いだ義理の娘さんのアイデアで、同店では水の代わりに炭酸水を粉類に混ぜて生地を作るようになった。
創業1924年のこのお店には、現在のフアン・カルロス国王、その父親フアン・デ・ブルボン王、フェリペ皇太子、と、3代にわたる王族が食事に訪れている。
このレシピを基にカディスの各レストランで改良されており、それぞれ個性があっておもしろい。
スペイン料理 Vol.23
【トルティージャ、又はトルティジータ・デ・カマロネス】
【材料】 4人分(約12個分)
カマロネス(小エビ) 約100gr
薄力粉 100gr
ガルバンソの粉 50gr
冷水 250〜300gr
塩 小さじ半分
タマネギ 1個
パセリ 適量
オリーブオイル 揚げ物用に適量
カマロネスは塩を加えた熱湯でさっと茹で、水分をよく切って冷ます。
ボールに薄力粉とガルバンソの粉、塩を混ぜ合わせ、冷水を注いで生地を作る。クレープの生地より少しゆるめの濃度。
Aにタマネギとパセリのみじん切り、@のカマロネスを加える。
大きめのフライパンかパエジャ鍋に高さ3pぐらいまでオリーブオイルを入れ、火にかける。
約180℃になったら、レードルか大きめのスプーンですくった生地を薄く広げるようにゆっくり流し込む。
きれいに色づいたらひっくり返し、パリパリに揚がったら取り出してキッチンペーパーなどの上で油をきり、揚げたてを提供する。
※生地が出来上がったら、まず少量を揚げてみて塩味と揚がり具合の厚さなどを試し、調整してから本番に。水が多いほど薄く仕上がるが、入れすぎると生地が油の中で散ってしまう。
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