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スペイン料理 Vol.27Cuajada /クアハーダ(羊乳のデザート)
その昔は羊飼いたちが作っていたデザートで、搾りたての羊乳を鍋で温め、天然のクアホ(羊の胃の一部)を加えて作られていた。
現在は衛生上の問題から、天然のクアホの代わりに化学的に製造された凝固剤を使うのが普通で、天然のものと同種のバクテリアを衛生的に培養した製品が「クアホ/cuajo 」として薬局で販売されている。
牛乳と同様にヨーグルトやチーズ、プリン作りなどにも使用される他、コロッケなどの料理にも使える。
見た目は牛乳と同じだが、特有の香りがあるので慣れない人は、そのまま飲むのはつらいかもしれない。羊乳を温める際は焦げ付きやすいので注意が必要だが、その昔はたき火の中で焦がした石や鉄を羊乳の中に入れてわざと香りをつけていた。その手間を省くために「焦げた香りつき羊乳/leche sabor a quemado」という商品も各メーカーから販売されており、人によってはこちらの方を好む場合も。
どちらも1L容器なら2.5〜4.5ユーロぐらいで市販されている。
羊乳を固めただけのナチュラルな食べ物で、味はいたってシンプル。出来上がりは真っ白、絹ごし豆腐のようななめらかな食感で、こちらの人はたっぷりの蜂蜜をかけて混ぜながら食べる。羊独特の強烈な香りはほとんどしないので、牛乳好きの人には好まれる味。
現在は家庭で作るという人は少なく、出来上がりを購入する人がほとんどだろう。スーパーなどのヨーグルトが並ぶ棚の隣に必ず数社の製品があり、大手メーカーで大量生産される安価なもの(4つパックで約1ユーロ)と、バスク地方で作られる本格的なもの(例えばナバラの村で牧畜を営むゴシュア社のクアハーダ、一つ1.3ユーロぐらい。)がある。
原材料の欄を見ると、大量生産の方は牛乳、ゼラチン、クアホ、砂糖、増粘剤が、ゴシュア社の方は羊乳、クアホの他に海藻からとった凝固剤(アガール)が安定剤として加えられている。
スペイン料理 Vol.27
【クアハーダ】

【材料】6〜8人分
羊乳 1リットル
クアホ(凝固剤) 適量
シナモン、ハチミツ、砂糖 好みで適量
羊乳を鍋に入れ、焦げないように混ぜながら温める。
沸騰したら火を止め、37度まで自然に冷ます。
そのまま提供できる一人分の容器にクアホを3滴ずつ垂らし、それぞれの容器にAの羊乳を上から注ぐ。
容器を動かさずに、室温で静かに固まるのを待つ。
完全に固まったら出来上がり。好みでシナモンパウダーや砂糖、蜂蜜をかけて提供する。
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