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スペイン料理 Vol.11Empanada/
エンパナーダ(ガリシア風パイ)
ガリシアから魚介類を送ってくる業者さんが教えてくれた彼のお母さんのレシピで、使用するビールは「エストレジャ・ガリシア/Estrella Galicia」のメーカーのもの でないと絶対にダメなのだそう・・・。
作る人により材料も作り方もいろいろ。薄力粉に油脂を混ぜるタイプ、イーストが入って膨らむタイプ、ビールや牛乳が入ったりピメントンが入ったり、と様々。中に入れる具や提供の仕方、好みに合わせて使い分けるとよい。
スペイン料理 Vol.11
【Empanada / エンパナーダ(ガリシア風パイ)】
【生地その1】
オーブンの下火のパワーが足りないと、具の下の生地が生焼けになりやすい。表面にアルミ箔をかぶせて焼成時間を長くするか、下の生地のみをオーブンで焼いてから具をのせて上の生地をかぶせ、再びオーブンで焼く、という方法で解決。
手早く作りたいときは冷凍パイシートで。
【材料】40p×35pの型で1台分
少々余る 薄力粉※ 中サイズ 1kg
タマゴ 3個
オリーブオイル 卵と同量の体積分
ビール
(ラガータイプ) 330cc
塩 15〜20gr
※こちらの薄力粉はグルテンが多めで中力粉に近い。
薄力粉と塩を合わせてふるい、作業台の上に山を作って真ん中をくぼませる。
(1)のくぼみに溶いた卵とビールを注ぎ、真ん中から少しづつくずしながら粉と水分を混ぜ合わせ、軽く練る。タマゴはしっかり溶いたものを、ビールは常温のものを使う。
水またはビールの量で生地の固さを調節しながらこね、生地が手にひっつかなくなり、表面がなめらかになったら、フィルムなどで包んで常温で30分〜1時間寝かせる。
あまり高さのないバットにバターかオイルを塗り、小麦粉を薄くはたいておくか、オーブンペーパーを敷いて生地が型にくっつくのを防ぐ。
(3)を2等分にし、大きめに伸ばして1枚を型に敷く。具を詰めたらもう1枚の生地を上からかぶせ、はみ出した分をナイフで切り取る。
縁は上下の生地を指先でつまんでしっかり押さえながらとじてゆき、表面にフォークの先などで空気穴をあける。
好みで、余った生地で飾りつけをして溶き卵をぬり、180℃のオーブンで30〜40分焼成する。(オーブンの性能により異なる)。
【生地その2】
イーストが入るタイプ。パン状に仕上がり<生地その1>の生地より柔らかめの口当たりだが食べ応えのあるエンパナーダになる。
【材料】40p×35pの型で1台分強力粉 1kg
塩 15〜20gr
ラード 75gr
タマゴ(常温のもの)6個
生イースト 80gr
水又は牛乳 200t
(ひと肌程度に温める)
※こちらの薄力粉はグルテンが多めで中力粉に近い。
ラード以外の材料すべてをボールに入れ、全体に水分をゆきわたらせるつもりで手で混ぜる。卵は常温のもの、水又は牛乳は少し温めたものを使ってイーストの活動を促す。
少しまとまったら作業台に取り出し、パン生地を作る要領でよくこねる。生地がしっかりしてきたら常温のラードを加え、さらに練る。パンこね用ミキサーを使えば便利
表面がなめらかな球状に整えてオイルを塗ったボールに入れ、フィルムでフタをする。温かい場所(35度前後)で約1時間ほど発酵させる。
あまり高さのないバットにバターかオイルを塗り、小麦粉を薄くはたいておくか、オーブンペーパーを敷いて生地が型にくっつくのを防ぐ。
(3)の生地を2等分にし、大きめに伸ばして1枚を型に敷く。具を詰めたらもう1枚の生地を上からかぶせ、はみ出した分をナイフで切り取る。
縁は上下の生地を指先でつまんでしっかり押さえながらとじてゆき、表面にフォークの先などで空気穴をあける。
200℃のオーブンで30〜40分焼成する
(オーブンの性能により異なる)。
【具材:ツナとトマト】
いちばんポピュラーな詰め物。タマネギ、ツナ、トマトの分量の割合は好みで調節する。ツナが多すぎると出来上がりがややパサつくかも。トマトもたっぷり入れるか、ほんの少しにしてタマネギの量を増やすかで異なる印象になる。他、ピーマンを一緒に炒めたり、フレッシュトマトのさいの目切りを(2)の段階で、ゆで卵のみじん切りを(4)の段階で加えることも。右上の写真はゆで卵とピーマン入りで、トマトもたっぷりめ。
【材料】40p×35pの型で1台分タマネギ 500gr
ニンニクのみじん切り 3片分
ツナのオイル漬け 500gr
トマトピューレ 500gr前後
塩、オリーブオイル 適量
鍋にオリーブオイルとニンニクのみじん切りを入れ、中火にかける。
ニンニクがきつね色になったら、2pほどの角切り又は千切りの玉ねぎを加えて軽く塩を振り、甘みが出るまでじっくり炒める。
火からおろしてツナのオイル漬けを加え混ぜ、ザルなどにあけて余分な脂と水分を切る。
ボールなどに移し替え、トマトピューレを全体になじませてから塩味を調節する。
(3)の生地を2等分にし、大きめに伸ばして1枚を型に敷く。具を詰めたらもう1枚の生地を上からかぶせ、はみ出した分をナイフで切り取る。
縁は上下の生地を指先でつまんでしっかり押さえながらとじてゆき、表面にフォークの先などで空気穴をあける。
200℃のオーブンで30〜40分焼成する
(オーブンの性能により異なる)。
【具材:豚肉の香草風味】
写真はイーストが入る生地に豚肉の具が入ったもの。これは市販品で、ピメントンは少なめ。豚バラの塩漬けにもいろいろなタイプがあり、ここではあまり塩分が多くないものを使用。
他、チョーリソなどの腸詰やもも肉のヨークハムなど、豚肉製品をいろいろと組み合わせて作られる。ローストポークの切れ端や生ハムの骨にひっついている肉など、残り物を利用して作ることもできる。
【材料】40p×35pの型で1台分塩漬けの豚バラ3枚肉※ 500gr
(又は生ハム)
豚ロース肉 500gr
タマネギ 500gr
ニンニク 4片分
ピメントン(赤ピーマンの粉) 適量
タイム、オレガノ 適量
豚ばら肉又は生ハムは約3o幅の拍子木切りにし、中火でゆっくり炒めて脂分を出す。
(1)の鍋から豚バラ又は生ハムを取り出し、残った脂分でニンニクのスライスと玉ねぎの千切りをじっくり炒める。
(2)に豚ロース肉の角切り(好みで、1〜2pほどの大きさ)、タイムとオレガノを加え、火が通るまで加熱する。
(3)の鍋に(2)で取り出した豚ばら肉又は生ハム、ピメントンを加え混ぜ、塩味を調節する。
ザルなどにあけて余分な脂分と水分を切る
【具材:イワシとトマト】
写真はイーストが入る生地に豚肉の具が入ったもの。これは市販品で、ピメントンは少なめ。豚バラの塩漬けにもいろいろなタイプがあり、ここではあまり塩分が多くないものを使用。
他、チョーリソなどの腸詰やもも肉のヨークハムなど、豚肉製品をいろいろと組み合わせて作られる。ローストポークの切れ端や生ハムの骨にひっついている肉など、残り物を利用して作ることもできる。
【材料】40p×35pの型で1台分イワシ 1s (丸ごとの重量)
塩漬けの豚の背脂※ 250gr
タマネギ 500gr
トマトピューレ 500gr
ニンニク 3片
オリーブオイル、塩 適量
イワシは3枚におろし、大きなものなら小骨を取り除いて1〜2pほどの幅に刻む。
ニンニクの薄切りとオリーブオイルを中火にかけ、きつね色に変わったら玉ねぎのスライスを加えて甘みが出るまでじっくり炒める。水分が多いようならザルなどで一度こす。
トマトピューレを加えてさらに過熱したところへ刻んだイワシに軽く塩をしたものを加え、鍋をゆすりながら火を通す。
豚の背脂は拍子木切りにして3に混ぜ、全体の塩味を整えて火を止める。
ザルなどにあけて余分な脂分と水分を切る
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