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スペイン料理 Vol.44 ガルバンソ・コン・トレスノ/Garbanzo con torreznos (トレスノ入りガルバンソ豆の煮込み)
【材料】 10〜12人分
ガルバンソ豆 1kg
水 適量
生ハムの骨 適量
ニンニク 2かけ
玉ねぎ 1個
ポワロー 1本
人参 2本
トマト 小1個
ピメントン 大さじ1杯
オリーブオイル、塩 適量
トレスノ(豚三枚肉のピメントン漬け)
約1kg
揚げ油 適量
@ まずはガルバンソの煮込みから。大きな容器にガルバンソを入れ、人肌程度のぬるま湯に塩ひとつまみを加えた液をたっぷり注ぎ、常温で一晩寝かせる。気温が高い季節は冷蔵庫に入れた方が無難。
A 翌日、@をざるにあけて水をきり、鍋に戻す。
B たっぷりの水と生ハムの骨、塩少々を加えて強火にかける。
C Bが沸騰するまでの間に、さいの目切りにしたニンニク、タマネギ、ポワローをオリーブオイルで炒める。
D 沸騰したら弱火にして、アクをとり除く。
E Cがしっかり炒まったらピメントンを加え、焦げないように手早く全体に馴染ませて、Dの鍋に加える。
F ガルバンソが柔らかくなるまでゆっくり煮込む。豆の大きさや質により、1時間から2時間程度。
G 生ハムの骨を取り除き、塩味を調える。
H 炊きあがった豆と煮汁少量をミキサーにかけてピューレ状にしてから鍋に戻して、煮汁に濃度を付ける。
I 全体を混ぜながら沸騰させ、味を調える。
J トレスノを一口大にカットして、たっっぷりの揚げ油で色づくまでゆっくりと揚げる。
【解説】
スペインではしょっちゅう食卓に上る豆の煮込み料理。地域や調理する人により煮込み方は様々で、それぞれ特徴があっておもしろい。家庭料理では、出汁となる肉類、豆、丸ごとの野菜類をすべて鍋に放り込んで煮込み、豆が煮えてから取り出した野菜や肉を刻んでまた鍋に戻す、というやり方がポピュラー。煮汁に濃度を付けるために、ピメントンといっしょに少量の小麦粉を入れることもある。
【トレスノ】
豚の三枚肉を塩とピメントンで漬けたもので、油で揚げて食べる。
バルでビールを頼んだら小皿にのって出てくることもある、お酒のあてにぴったりな一品。
アラゴン地方のソリア産のものが有名で、噛みしめると塩味と豚の旨みが出てきて、適度な塩分とピメントンの香りが病みつきになる。
左の画像は、業務用に出回っているトレスノの大きな塊。好みの大きさにカットしてから、たっぷりの油の中でゆっくりと揚げてカリカリに仕上げる。
初めは「揚げる」というよりも、「煮る」という感じ。なべ底に焦げ付いてしまうので、鍋をゆすりながら、絶えずかき混ぜる。やけどに注意!
揚げすぎ?と思うぐらいにしっかりと火を通して水分を抜き、油の部分がサクサクになるまで揚げる。そのままアペリティーボやおつまみとして提供してもいいし、サラダなどに加えることもできる。汁気のある煮込み料理に添えると、パサつきがちな赤身の部分も食べやすくなる。
スペイン料理 Vol.44【ガルバンソ・コン・トレスノ (トレスノ入りガルバンソ豆の煮込み)】
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